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■■ 技術の継承の危機?
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━━━━━━━━━ 情報源:日経産業新聞 2005.02.15【22面】━
◆初めて自分のパソコンを買ったのは、もう20年くらい前になるだ
ろうか。現在と比較すれば、機能はお粗末なものだったが、きっか
けは職場で使い、便利さを知ったからだった。
◆職場で何とか使いこなせるようになったのは、パソコンに詳しい
同僚がいたからだ。わからないことがあれば、すぐに教えてくれる。
とても独学では修得できなかったと思う。
◆長時間べったりというわけではないが、必要に応じてマンツーマ
ンで指導を受けられたのは、何とも運が良かったわけだ。フォーマ
ルな人材育成の仕組みになぞらえれば、これがOJTというものだ。
◆仕事の技能は人を通じて伝承される。そしてそのためには、教え
る者と教わる者との物理的な接触が必要となる。企業では今まで、
そうやって人材を育成するのが当たり前と考えられてきた。
◆ところが、15日付け日経産業新聞に、そのような常識が通じにく
くなっているという記事が掲載されている。ゼネコンにおける技術
の継承の問題だ。
◆リストラやコスト削減が進み、現場に送り込む技術者の数が減っ
ているという。記事に登場する戸田建設の場合、「一現場当たり3
人に満たない」そうだ。
◆このような状況になると、現場で先輩が後輩に技術を伝えるとい
う仕組みが機能しにくくなる。記事は「二人現場では事務所長と若
手という親子ほど年が離れた二人が組む現場も珍しくない」と指摘
する。それがコミュニケーションの難しさを生む。
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■■ OJT環境の不足を補う
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●私がかつて勤務していたコンサルティング会社では、コンサルタ
ントは二人一組でクライアントに出向いていた。先輩・後輩がペア
になり、コンサルティング業務にあたる。
●どちらかに何が起きても、コンサルティングの継続性を維持する
ことができるという効果もあったが、やはり狙いは人材育成による
OJTだ。
●そのような目的での二人一組体制では、当然、一人の2倍の金額
を顧客にチャージするわけにはいかない。一人で客先に出向いた方
が、一人当たりの稼ぎを大きくすることができるのだが、技術の継
承等を考え、あえてそうしていなかった。
●ところが業績が苦しくなると、料金を値引いて受注し、それを理
由に一人で客先を担当するというケースも発生した。現場では特に
不都合を感じなかったが、技術の継承という面では、決して好まし
くはなかった。
●ゼネコンの場合も同様だが、人員の合理化はOJTの機会を減少
させる。その分、補填する対策を打つ必要があるというわけだ。人
材育成の方法は、OJTだけではない。
●記事によれば、戸田建設では「入社5年目の建築技術者が約2ヶ
月間にわたる『合宿』」を行なったりしているそうだ。ほかにも
「社内留学」といった制度を設け、OJTの不十分さを補う努力を
重ねている。
●教育制度の整備が十分でない中小企業では、OJTとはすなわち、
「人材育成については特に何もしていない」ことの意であったりも
する。それでも技術の継承が何とか行なわれたのは、古きよき時代
だったということだろう。
●今や人口が減少する時代だ。ITの発達もある。有効なOJTが
行なわれる環境が減っている。優秀な人材の採用や教育のシステム
の必要性は、かつてないほど高まっていると考えた方がよい。
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■ 今日の教訓 ■
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あなたの企業では、人員削減や合理化がもたらすOJTへの影響に
ついて、認識しているだろうか。放置しておくと、技術が継承され
ず、断絶してしまう可能性がある。OJT以外の人材教育について、
真剣に考えておくべきだ。
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