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■■ 首都直下地震後のシミュレーション
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━━━━━━━ 情報源:日本経済新聞 2008.04.03【1・34面】━
◆中小企業のコンサルティングを長年にわたり手がけてきた。様々
な課題にチャレンジしなければならないが、いわゆる「ケーススタ
ディ」を解くようなわけにはいかない。
◆ケーススタディでは、対象となる企業について「与件」が提供さ
れる。「A社は△△市場で◇◇%のシェアを占める業界二番手の企
業で、○○の技術に優位性があり・・・」といった具合だ。
◆実際のコンサルティングの現場では、そのような「与件」がない
ところからスタートしなければならない。市場規模のデータもない
ようなニッチな市場を相手にしている中小企業は多い。
◆また、部門別や製品別の損益や限界利益率のデータが整備されて
いないことも、しばしばだ。だから、机上の勉強のみの頭でっかち
な新米コンサルタントは、途方に暮れてしまう。
◆中小企業のコンサルティングをするのなら、客先の伝票を、自ら
一枚一枚あたるくらいの覚悟が必要だ。クライアントがデータを整
備していないことを嘆くのは、コンサルタントとして自らの無能ぶ
りをさらすようなものだ。
◆市場規模データについては、既存の公表資料などから推測するし
かない。複数の観点からそれを行なうことで、妥当性は高まる。そ
のような作業のことを「フェルミ推定」と呼ぶのだそうだ。最近の
ベストセラー「地頭力を鍛える 問題解決に活かす『フェルミ推定』」
を読んだ方も多いだろう。
◆数字をいろいろな根拠で推定してみることは「地頭力を鍛える」
のみならず、実用的な発見にもつながる。3日付けの日本経済新聞
に、首都直下地震後の「帰宅行動シミュレーション」についての記
事があり、なるほどと思わされた。
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■■ 「数字を詰める」ことをサボらない
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●このシミュレーションは、「中央防災会議」が公表したもので、
震度6強の首都直下地震により「地震直後は鉄道やバスなどの公共
交通機関が機能しない可能性が高いことを前提に、東京都多摩地区、
神奈川県、埼玉県、千葉県などに住む被災者らが徒歩で自宅に帰る
場合を予測した」ものだという。
●その結果として「東京23区内の35カ所の道路で満員電車並みの混
雑が発生する」という。道路で満員電車並みと言われてもピンと来
ないが、東京マラソンのスタート直後の後方ランナーの状態という
感じだろうか。
●具体的には、201万人が「1平方メートルに6人以上が立ってい
るラッシュ時の満員電車と同等の混雑度」を味わうことになる。恐
らくは道路の面積と帰宅する被災者の人数で計算したのだろう。計
算すれば、そのような大変な事態になることがわかる。
●昼間人口の地域別の密集度合いや、火災が発生した場合の道路の
通行止めといったことも勘案されているようだ。いずれにしろ、
「フェルミ推定」的な発想に基づく。
●企業経営において、「予測」は非常に重要な意味を持つ。上述し
た「市場規模」の推定でも、現在のみならず、将来へ向けての推移
を考えてみることが大切だ。
●また、たとえば売上を2倍にしたいと考えるなら、そのイメージ
をいろいろな数字で描いてみることが必要だ。飲食業なら、客単価
や回転率、店の坪数などがどうあるべきなのか、数字を詰めていけ
ば、自然と見えてくる。
●そのように「数字を詰める」という作業、意外とやっていなかっ
たりする。首都直下地震発生の可能性など、何十年も前から指摘さ
れているが、道路がどれほど混雑するか、知る限りでは、今まで誰
も「数字を詰める」ことをしていなかったわけだ。
●「帰宅行動シミュレーション」の結果、「分散帰宅」といった対
策も提言されることとなった。「数字を詰める」ことをしたおかげ
だ。その場になってあわてないように備える。地震も経営も同じこ
とだろう。
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■ 今日の教訓 ■
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あなたは経営者として、自社の将来へ向けて「数字を詰める」こと
をしているだろうか。「何とかなる」と済ませずに、腰を落ち着け
てその作業をしてみよう。何か新たな発見があるかも知れない。
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