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2009年02月23日 通巻1905号

値段をコントロールできる経営 > 「燃費」と「出力」を改善する努力

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■■   値段をコントロールできる経営
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━━━━━ 情報源:日経MJ(流通新聞) 2009.02.23【1面】━

◆不況の直撃を受けた企業が何とか生き残りを図るには、どうする
か。多くの企業では、固定費を削減し、損益分岐点を引き下げるこ
とを考える。

◆そのようなことは、今まで何度も行なわれてきている。具体的に
は、人員削減や工場の閉鎖といった取り組みだ。やむを得ないこと
ではあるが、それによるダメージもまた、取り沙汰される。

◆固定費は、決して「必要悪」なのではない。収益を稼ぐエンジン
のようなものだ。エンジンを小さくしてしまえば、当然、収益力な
どの「出力」が衰える。それがダメージだ。

◆とは言え、エンジンの「燃費」が悪ければ、やはりこのエンジン
ではマズいということになる。その判断が難しいところだが、それ
が経営というものだろう。

◆23日付けの日経MJ(流通新聞)に、ニトリの記事が掲載されて
いる。記事によれば、「2009年2月期に22期連続の増収増益を見込
む」という優良企業だ。

◆この会社の経営の特徴について、記事は「商品数の7割を独自で
企画し、景気に応じて値段を自在にコントロールできる経営は不況
期ほど力を発揮する」と解説している。

◆また、ニトリ自身は自社を「SPA(製造小売り)でなく製造物
流小売業」と定義している。これは、「商品の企画、製造、販売は
もちろん、物流や検査まですべての業務を自前で賄う超SPAを意
味している」という。

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■■   「燃費」と「出力」を改善する努力
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●「値段を自在にコントロールできる」のは、すべての業務を自社
で行なうことで、自助努力によるコスト管理ができるからだ。また、
どこで利益を稼ぐか(稼がないのか)、柔軟に決めることもできる。

●ならば、どの企業もこの仕組みをにすればよいはずだが、そうい
う訳にもいかない。このやり方では、固定費が膨れ上がり、とても
耐えられない。

●多くのアウトソーシングビジネスが成り立つのは、自社でやるよ
りも、外注した方が安上がりで品質も確保できると、考える企業が
多いからだ。

●そのため、業務の特定部分に「選択と集中」をし、「持たざる経
営」で成功している企業が注目されることもある。二トリと比較す
れば、全くの両極端となるが、どちらも成功できるというのが興味
深い。

●記事によると、二トリの「憲法」は、(1)安さ (2)安さ (3)安さ
であり、(4)が「適正な品質」となる。固定費を使いながらも、コ
スト削減の努力は半端でなく、「燃費」の向上への追求には、すさ
まじいものがある。

●経営者の重要な仕事は、資源の配分を決めることだが、配分さえ
すれば、自然と結果が出てくるというわけではない。エンジンを大
きくしたら、運転時には、燃費をコントロールした上で、最大限の
出力を生むようなマネジメントが必要だ。

●その方向性が「憲法」で示され、ニトリの社長は、そのための徹
底的な議論を辞さない。そうでなくては、この仕組みは成り立ちに
くい。その分、他社はなかなかマネができない。

●記事は「国内では今のところ死角はない。不況は長引きそうで、
逆風は二トリの成長をさらに押し上げそうだ」としている。マネで
きないのも当然で、固定費をカットするという、通常の不況対策と
は逆を行っているからなのだ。

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■ 今日の教訓 ■
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あなたの企業では、不況対策として固定費の削減を考えているので
はないだろうか。しかしその前に、固定費の「燃費」を改善し、最
大限の出力を得るための最大限の努力をしただろうか。固定費とい
うエンジンを、いかにうまく運転するかが、経営の技術だ。

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