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2009年03月05日 通巻1907号

住宅大手が「家の履歴書」整備に乗り出す > 変革に求められる条件を整備する

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■■   住宅大手が「家の履歴書」整備に乗り出す
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━━━━━━━━━ 情報源:日本経済新聞 2009.03.05【10面】━

◆事業戦略を考える者としては、今までにない新しいビジネスモデ
ルを創造し、成功させることは、常に願っている「夢」だろう。新
たなビジネスモデルの登場には、新聞も注目し、記事として取り上
げる。

◆昨日の当メルマガでは、デジタル製品の中古買い取りが本格的に
始まったという記事を取り上げた。買い取りを前提に新品を販売す
る仕組みは、新しいビジネスモデルだと言える。

◆本日(3/5)付けの日経産業新聞3面は、NECが「ネット経由で
ソフトの機能を提供する『SaaS(サース)』の新メニューを矢
継ぎ早に打ち出している」と伝えている。

◆売り切りでソフトを販売するのではなく、月額で利用料金を徴収
する仕組みにするというのは、ビジネスモデルの転換となる。非常
に思い切った決断だ。

◆新しいビジネスモデルの導入や転換は、決して容易なものではな
い。それが成り立つ仕組みの構築を十分に考える必要がある。デジ
タル製品の中古買い取りにしても、的確に査定ができることや、中
古市場の整備が前提となる。

◆5日付けの日本経済新聞に、「住宅大手が設計図や修繕記録など
を記した『家の履歴書』の整備に乗り出す」という記事が掲載され
ている。

◆これは、中古住宅の流通市場を拡大するための取り組みで、「中
古住宅の価格決定を透明に」することが狙いだ。住宅販売における
新たなビジネスモデルをつくることにつながる。

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■■   変革に求められる条件を整備する
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●「新たなビジネスモデル」とは述べたが、「家の履歴書」という
言葉は、今までも何度か目にしたことがある。日経のデータベース
で「家の履歴書」「家歴書」「住宅履歴」と検索すると、既に1999
年2月に経済戦略会議が、新たな住宅政策として、住宅履歴簿の必
要性を提言している。

●それからしばらく期間をおいて、福田内閣の掲げた「200年住宅
構想」にて「住宅履歴書の整備」が提言されている。それに関連し、
住宅大手が「履歴情報の蓄積・管理の仕組みを整備」し始めている
一方、「制度的裏付けが足りず業界全体を巻き込んだ動きにはまだ
なっていない」と日経は伝えている。

●2008年3月になると、北海道での事例として、「住まいル・アル
バム」という名の「家の履歴書」が、「徐々に広がりはじめた」と
いう記事が掲載されている。2008年12月には「長期優良住宅普及促
進法」が成立し、履歴の保存が義務化された。

●そして今回、住宅大手のほか、設備メーカーでも履歴整備を進め
る動きが伝えられている。「業界全体を巻き込んだ動き」が、よう
やく始まった感がある。

●住宅履歴の作成が住宅購入者への標準サービスに組み込まれ、一
覧できるシステムが開発されるなど、新たなビジネスモデル確立へ
の条件が整ってきた。

●随分と時間がかかったと見るべきか、思いのほか短期間で変わっ
たと見るべきか、それはよくわからない。しかし、単純に「中古住
宅市場を活性化しよう」と声をあげただけでは、何も変わらなかっ
たであろうということは、わかる。

●「家の履歴書」のように、業界全体を巻き込む必要があるケース
はもちろんのこと、一企業としてできるビジネスモデルの転換にし
ても、条件整備に時間と労力がかかることは多い。

●2008年3月の記事は、「家歴書」が「余る住宅の活用を促す決め
手になるかは不透明だ」と述べており、このような懐疑的な見方も
ある。新たなビジネスモデルの確立は、険しいものだと感じる。

※参考:1999年2月27日付け日本経済新聞朝刊4面
    :2007年10月10日付け日経産業新聞17面
    :2008年3月25日付け日本経済新聞夕刊1面

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■ 今日の教訓 ■
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あなたの企業では、新たなビジネスモデルを確立するために、どの
ような条件整備作業が必要か、理解しているだろうか。成功を手に
するには、それを乗り越えることが求められる。その覚悟で臨もう。

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