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2009年04月16日 通巻1918号

視野の広いエンジニアを育成 > 自律的に「全体最適」を追求する存在

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■■   視野の広いエンジニアを育成
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━━━━━━━━━ 情報源:日経産業新聞 2009.04.16【18面】━

◆若いころ、友人とバンドを組んでいた。メンバーそれぞれ熱心に
個別で練習し、スタジオで合わせる。各自が完璧に弾けるようになっ
ていれば、完璧な演奏が披露できるかといえば、そうでもない。

◆個人の演奏をそのままバンド演奏に持ち込んでも、ダメなのだ。
それぞれが他のメンバーの演奏を意識し、全体のアンサンブルを考
えながら演奏しないと、見事にバラバラになる。

◆コーチングでは、クライアントの視点を移動させるために、さま
ざまな質問を繰り出す。たとえば、狭くなりがちな視野からクライ
アントを解放し、自分を客体視させつつ、全体像を俯瞰する視点へ
導くことで、気づきが生まれたりする。

◆経営コンサルティングでも、コンサルタントは社外の専門家とい
う立場で、企業の全体最適の観点から、アドバイスを行なう。社内
の利害から離れた第三者ならではの視点を提供する。

◆いずれのケースも、いかに「全体」を眺めることが大切かを物語っ
ている。「部分最適は全体最適にあらず」とは、よく言われること
だ。特に組織のリーダーなら、常に全体最適の発想で、メンバーを
動かしていくことが求められる。

◆16日付けの日経産業新聞に、三菱重工の新人技術者教育について
の記事が掲載されている。同社では、「販売や保守点検まで目配り
できる視野の広いエンジニア」の育成を目指しているという。

◆同社の技術研修所の田口俊夫所長によれば、「大学で特定の研究
に専念してきた新人技術者は『部分最適に陥りがち』」。そこで三
菱重工では、新人技術者の研修メニューを変更し、「学んでいなかっ
た知識や苦手とするテーマを重点的に学べるようになった」とのこ
とだ。

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■■   自律的に「全体最適」を追求する存在
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●人材教育にあっては、目指すべき人材像を明確にする必要がある。
三菱重工では、そのような人材を「企業技術者」と呼び、「作りや
すく、売りやすく、使いやすく、保守点検しやすい製品を生みだせ
る」ことを求めている。

●従来の組織の考え方では、全体最適を図るべきことは自明としつ
つ、それを実現するのは、リーダーによる指示命令に依存する割合
が高かったように思う。

●全体最適が実現しなければ、メンバーを上手く使いこなせなかっ
たという理由でリーダーが責められ、メンバーには責任がない、と
いう考え方だ。しかし今や、各メンバーもまた、全体最適を考える
ことが求められるようになったわけだ。

●冒頭に述べたバンドのケースと同様で、メンバー個々が全体を見
渡すことができていなければ、組織としての全体最適は実現しない。
リーダーの役割は、メンバーに対して、全体を見渡す機会を提供し、
自らの役割を自律的に果たすのを促すことだ。オーケストラの指揮
者は、そのような役割を果たしているように思う。

●一緒に仕事をする場合でも、全体最適の視点を持っている相手と
は、心地よくご一緒できる。誰でもそう感じると思うが、自分の利
益ばかり主張する方は、ご遠慮願いたい。

●記事の三菱重工の場合、体系的な教育により「企業技術者」を育
成していくわけだが、制度はともかく、自社の従業員が同様の視点
を持てているか、常々チェックし、必要なら改善・改革していくこ
とが大切だ。

●その際、特に重要なのは、リーダーの認識だ。メンバーを「部分
最適」の集合体、すなわち「部品」とみなしていては、「全体最適」
を実現することは、至難の業だろう。

●リーダーはメンバーを、単なる「部品」ではなく、自律的に「全
体最適」を追求する存在だととらえる必要がある。だからこそ、
「部分」としてのふさわしい働きができるわけだ。

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■ 今日の教訓 ■
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あなたの企業の従業員には、「全体最適」の視点で仕事を行なえる
ような環境が与えられているだろうか。リーダーだけが孤軍奮闘し
ても、部下の視点が「部分」のみにとらわれていては、「全体最適」
の実現は困難だ。部下は「部品」ではない。自律的に「全体最適」
を追求する存在だととらえよう。

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