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2009年05月12日 通巻1921号
外国語会話教室の受講生数が半減 > 実需か、それともバブルか

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■■   外国語会話教室の受講生数が半減
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━━━━━━━━━ 情報源:日本経済新聞 2009.05.12【29面】━

◆「バブル経済」「バブル崩壊」といった言葉は、すっかり定着し
ている。バブルとは、すなわち「泡」のことだ。泡のように、はか
ない存在がバブルだ。

◆「バブル景気」となると、いつ萎むかわからない、いつ消滅して
も不思議ではない、といったイメージが浮かぶ。実需に基づかない、
虚飾的な売上増加であり、基盤は脆弱だ。

◆12日付けの日本経済新聞に、「2008年の外国語会話教室の年間延
べ受講生数は、2007年に比べて39%少ない451万3621人だった」と
いう記事が掲載されている。

◆40%近い市場規模減というだけでも驚かされるが、記事によれば、
「最多だった2006年から2年で半減した」そうだ。ごく単純に考え
れば、減った半分は、実需に基づかない市場だったとみることがで
きるのかも知れない。

◆受講生数減少の原因について、記事は「2007年10月に英会話学校
最大手NOVAが経営破綻し、同社の生徒の多くが受講をあきらめ
たほか、受講料先払いの仕組みに対する不信感で他社への新規申し
込みも減少した」と伝えている。

◆一企業の不始末が業界にもたらした影響の大きさに、今さらなが
ら驚かされる。しかしこれも、いわゆる「バブル」が弾けただけだ
と考えれば、NOVAの破綻は単なるきっかけに過ぎなかったのか
も知れない。

◆英会話が上手にできるようになりたい。日本人なら、ほとんど誰
でもそう思っているだろう。しかし本当に必要なのだろうか。必要
がないから、日本人は英会話が上手にならないのだ、という見方も
ある。

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■■   実需か、それともバブルか
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●必要がないものを売るというビジネス。その売上の拡大は、やは
りバブルと呼ばれても仕方ないだろう。必要がないというのは、す
なわち実需がないということだ。

●さらに記事を読むと、「TOEICの点数を上げるためのビジネ
スマン向け教室」は人気があるという。「残業が減った時間で転職
に向けてスキルアップ」しようということらしい。こちらは実需と
言えるだろう。

●一方、「シニア向けなど」のコースも増加しているという。ベル
リッツ・ジャパンについては、「同社のシニアコースは4年前の開
講時に比べ受講生数が20倍近くになった」とのことだ。

●これについては、JTBと組んで海外旅行と組み合わせたレッス
ンを提供しているなど、海外旅行ですぐに使うといった実需が支え
ているように思う。

●外国語会話教室の受講生が激減したと言っても、決して一律では
ない。他の業界でも同様で、全体としての市場規模が減少しても、
セグメントすれば、堅調な分野や伸びている分野はあるものだ。そ
こを狙い撃ちしていけば、業績を確保できる可能性がある。

●どこを狙うかを決めることが、まさに戦略策定のテーマだ。その
際の重要な着眼点の一つは、その市場が実需に支えられているのか、
それともバブルなのかどうかだ。

●最近、農業が注目されているのは、人間は誰でも食事をしないで
は生きられないからだ。つまり食品には、確かな実需がある。その
点、英会話教室とは大きく異なる。

●あえてバブルを狙うという戦略もあり得る。日本人の英会話コン
プレックスを巧みに突くことで、バブル需要をふくらませ、キャッ
シュにできる。しかし、長くは続かず、何かのきっかけで弾けてし
まう。

●いずれにしろ、現在の業績は、実需に支えられているのか、それ
ともバブルに乗っているだけなのか、これはしっかりと見極める必
要があるだろう。バブル崩壊の経験から、当然、学んでいなければ
ならない教訓だったはずだ。

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■ 今日の教訓 ■
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あなたの企業の業績は、確かな実需に支えられているものだろうか、
それともバブルに乗っているだけだろうか。自社の現状分析をする
のなら、まずは着目しなければならないポイントだ。その上で、将
来へ向けてどのような戦略を構築するかを考えよう。

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