経営戦略考 日経記事から毎日学ぶ経営戦略の原理原則 www.senryakukou.com
経営戦略の発想が身につく、毎日5万人が購読するビジネス系定番メールマガジン
サイトマップ

■メルマガ「経営戦略考」を読んでみませんか?(購読無料)
メールアドレス  
コンビーズメールを使って、メルマガ配信しています 

メールマガジンバックナンバー

2009年05月18日 通巻1923号
ルミネが10期連続で増収増益 > 強み・弱みの「編集の妙」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■   ルミネが10期連続で増収増益
■■
━━━ 情報源:日経MJ(流通新聞) 2009.05.18【1・3面】━

◆「強み」に集中することが、競争における鉄則だと言われる。し
かし、あまり「強み」にとらわれていると、環境の変化により、そ
れが「弱み」となってしまうケースもある。

◆そのため、新たな「強み」をつくるべく、既存の「強み」を磨く
ことを疎かにしてしまうことで、どちらも中途半端になってしまう
ケースもある。経営とは、なかなか一筋縄ではいかないものだ。

◆ポイントは、「強み」が本物かどうかだ。「強み」にとらわれ過
ぎて失敗するケースがあるとすれば、実はそれは本物の「強み」で
はないということだ。

◆先述のとおり、何が「強み」となり得るかは、環境変化に大きく
影響される。つまり、時代の要請に合致した「強み」を築けていな
いと、やはり競争には勝てないということだ。

◆18日付けの日経MJ(流通新聞)に、「百貨店やスーパーの苦戦
を尻目に、ルミネは2009年3月期も増収増益を確保した」という記
事が掲載されている。

◆ルミネと言えば、新宿駅の駅ビル。小売業であれば、極めて有利
な立地のはずだ。ところが記事は、「10期連続の増収増益を達成し
たルミネを『立地に恵まれているから』と決めつけていたらそれは
間違い」と断じている。

◆駅直結であることは「強み」のはずだが、ルミネの花崎淑夫社長
によれば、「面積は狭く、思うように商業施設のインフラも整備で
きない」とのことだ。この立地は、「強み」ではなく「弱み」だと
いう認識だ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■   強み・弱みの「編集の妙」
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●店舗の大型化が進む中、確かにルミネの新宿店(主力店)は狭い。
高島屋新宿店や伊勢丹新宿本店と比べれば、1/3の規模だ。そし
て、「駅ビルの宿命として大規模改装も難しい」。

●この「弱み」を認識した上でとった施策は、顧客対象を絞ること
だった。「新宿駅の乗降客は老若男女だが、ルミネは若い男女を切
り取った」と記事は解説している。

●「立地」「品揃え」「従業員の接客」のいずれも、小売業なら
「強み」となり得る。しかし競合環境を考えれば、どれも一様に重
要だというわけではない。この場合、「立地」だけを「強み」とし
ていたのでは、とても生き残れないということだったのだろう。

●駅ビルを経営する鉄道会社の経営特性について、記事は次のよう
に指摘している。「顧客の絞り込みの必要のない鉄道会社。あるの
は大人と子供料金の二つ。料金は決められた距離で設定される」。

●多様な顧客ニーズに対応しなければならない小売業とは、まった
く文化が異なるのだ。そのためか、1991年に誕生して以来、ルミネ
は「1999年3月期まで減収が続」いたという。小売業に取り組むに
は、企業体質は「弱み」となっていたわけだ。

●しかし一方、鉄道会社は「安全と無事故、それに時間厳守」、
「いろいろな職場が連携し大原則のために細心の注意を払う」、さ
らには方針を「一気通貫で現場まで行きわたらせる力」に優れてい
る。このような企業体質は「強み」として生かせる。

●今やルミネは「各テナントが一体化して相乗効果を発揮できる編
集の妙」(花崎社長)が「強み」だと言えるほどになっている。
「強み」と「弱み」を認識し、それを再編成したことで、全体とし
ての競争力を確保した格好だ。

●どの企業にも、「強み」と「弱み」はあるだろう。競争の環境に
より、勝つために求められる「強み」も変わってくる。また現実に
は、「強み」にも「弱み」にもなり得る企業の特性というものもあ
る。

●ルミネの売り場の「編集の妙」もさることながら、企業の特性を
踏まえた「強み」「弱み」についての「編集の妙」にも、注目すべ
きだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 今日の教訓 ■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

あなたの企業の特性は、どのように自社の「強み」「弱み」に影響
を与えているだろうか。真に求められる「強み」を磨き上げていく
ために、経営資源をどのように配分するのがベストか、考えてみよ
う。経営資源の「編集の妙」を発揮すべく、じっくり検討をしよう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━