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2009年05月19日 通巻1924号
低価格を実現したプリウスの新型車 > 「巻き込み力」でブレイクスルーを起こす」

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■■   低価格を実現したプリウスの新型車
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━━━━━━━━━ 情報源:日経産業新聞 2009.05.19【20面】━

◆コーチングでは、クライアントの視点を変えることが、コーチの
重要な仕事となる。視点を変える基本は、クライアントが自分自身
を客体視できるようにすることだ。

◆自分の抱える問題で頭がいっぱいになった状況では、視野がどう
しても狭くなる。視野がカバーする範囲を広げることで、今まで見
えていなかったものが見えてくる。

◆迷路パズルを思い浮かべれば、わかりやすい。パズルのごく一部
を見ただけでは、どうやって出口をみつけたらよいか、さっぱりわ
からない。しかし、パズルの全体像を眺めれば、早く出口にたどり
つく作戦を立てやすくなる。

◆経営課題を解決する上でも、この原則は通用する。狭い範囲で考
えると制約条件に縛られてしまう。発想をその枠外まで広げていけ
ば、課題解決の突破口を見いだしやすくなる。

◆19日付けの日経産業新聞に、トヨタがプリウスの新型車が発売し
たという記事が掲載されている。「燃費性能を1割改善しながら、
205万円からという低価格を実現した」という。

◆記事によれば、「初年度は月1万台の販売が目標だが、受注は早
くも8万台を超えた」そうだ。燃費がよくて、価格も下がったとな
れば、人気のほどもうなずける。

◆なぜそれが実現できたのか。ハイブリッド車の価格を抑えること
は、かねてからの課題だ。豊田章男副社長は「技術陣の地道な努力」
が要因だとコメントしている。

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■■   「巻き込み力」でブレイクスルーを起こす
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●具体的には、部品メーカーに対して「少しでもコストを抑える知
恵を絞ってほしい」との要請を、「新型プリウスの開発が始まると
同時に」行なったそうだ。

●完成車メーカーが部品メーカーに協力を仰ぐのは、目新しいこと
ではない。しかし、「部品メーカーは一般に開発の途中から参加す
るが、今回は異例なほど早い段階から共同で作業を進めた」という。

●視野の範囲を自社の業務内にとらえていては、経営課題の解決は
難しい。取引先である部品メーカーの方まで視野を広げ、働きかけ
ることが必要なのだ。今回は、それをより推し進めた形になる。

●視野を広げたら、その上で適切な働きかけをしていくことが必要
なわけだ。別の言葉で言えば、どこまで広い範囲で関係者を「巻き
込む」ことができるかが、ポイントになる。

●トヨタの場合、部品メーカーを上手に巻き込んだと言えるだろう。
このような「巻き込み力」は、主体的に物事を成功に導くには欠か
せない。

●それができるのは、巻き込む相手との力関係の要因もあるだろう。
部品メーカーを巻き込んでのコストダウンは、トヨタだから出来た
のだ、と言うこともできる。

●だが、弱い立場にあっても、たとえばたった一人の熱意と努力が、
力のある実力者を動かし、社会を変えていくといったこともある。
だとすれば、自社でも、もっとできることがあるのではないか、と
考えてみてよいと思う。

●自社の描く理想を実現するためには、視野を広げ、取引先や得意
先、提携先との関わり方を、主体的にリードしていくような取り組
みが必要だ。その意味での「巻き込み力」を発揮すれば、ブレイク
スルーを起こすことも可能だろう。

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■ 今日の教訓 ■
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あなたの企業では、自社のビジョンや目標を実現するために、どれ
だけ周囲を巻き込むことができているだろうか。自社がコントロー
ルできない与件だとして、それらに働きかけない手はない。「巻き
込み力」を発揮し、主体的に環境をリードしていこう。

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