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2009年06月04日通巻1932号
カー用品大手2社がとっている集客策 > 「取りこぼし」の痛手は往復ビンタ

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■■   カー用品大手2社がとっている集客策
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━━━━━━━━━ 情報源:日経産業新聞 2009.06.04【14面】━

◆不景気にあって、売上を確保することは容易ではない。どの企業
も、そのために知恵を絞っている。たとえば食品スーパーでは、値
下げを効果的に行なっている。
http://www.senryakukou.com/mlmg/200902/09syokuhinn.html

◆やはり、値下げするに限るのだろうか。いや、別の考え方もある
に違いない。値下げして需要を刺激する前に、取りこぼし、すなわ
ち機会損失を防止することも必要だろう。

◆4日付けの日経産業新聞に、「オートバックスセブンとイエロー
ハットのカー用品大手2社が、集客策に一段と力を入れている」と
いう記事が掲載されている。新車販売が落ち込み、カー用品の業界
にも、その影響があるとのことだ。

◆イエローハットがとっている対策は、「タイヤ売り場を抜本的に
見直した」ことだ。具体的には、タイヤ売り場の面積を広げ、品揃
えを充実している。

◆なぜ、タイヤなのか。イエローハットの社長によれば、「タイヤ
は確実な需要が見込めるうえ、シェアを拡大することで販売数量も
伸ばせる」とのことだ。

◆「確実な需要が見込める」商品は、取りこぼしてはいけない。不
景気における売上確保対策として、欠かせない着眼点だ。景気によっ
て需要が左右される商品は、不景気時には狙いにくい。

◆一方、この対策の割を食う存在が、ガソリンスタンドだ。セルフ
サービスのガソリンスタンドが増えていることで、「タイヤの販売
数量も減っている」。イエローハットは、その需要を確実に取り込
むことを狙っている。

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■■   「取りこぼし」の痛手は往復ビンタ
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●ガソリンスタンドのセルフ化も値下げ策になるが、その分、確実
に需要が見込めるタイヤの販売を取りこぼしているとすれば、不景
気時の売上確保対策としては、何とも皮肉な結果と言えるかも知れ
ない。(もっとも、ガソリンも確実に需要が見込める商品だが)

●記事が取り上げているもう一社、オートバックスの取り組みは、
「車検サービスの拡充」だ。「店舗に併設する車検工場を増やし、
車検のために来店した客にカー用品を売る」のが狙いだ。

●「車検はタイヤ同様に定期的な需要が見込める」と記事は指摘し
ている。確実に定期的な需要が見込める商品に着目するという点で、
やっていることは違うが、同じ発想で取り組んでいるのが興味深い。

●販売の機会損失には、単純に商品が購入されない場合と、他社で
購入されるケースの両方が考えられる。確実に需要が見込まれる商
品の場合、必ずどこかで購入しなければならないので、後者に該当
する。

●「取りこぼし」という言葉のニュアンスは、後者の意味合いの方
が強い。「取りこぼし」には、「もったいない」という気持ちが込
められているが、まったく購入されないなら、そのような気持ちは
起きにくい。

●だとすると、販売における「取りこぼし」は、単純に自社の収益
のマイナスになるだけでなく、ライバルにとってのプラス収益になっ
てしまうわけだ。「取りこぼし」の発生は、往復ビンタの痛手だ。

●イエローハットの社長が「シェアを拡大すること」に言及したの
は、その意味がある。「取りこぼし」については、単なる「売り逃
し」以上の深刻さで受け止めなければならない。

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■ 今日の教訓 ■
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あなたの企業では、売上確保対策として、どのような手を打ってい
るだろうか。確実に需要の見込める商品については、「取りこぼし」
のないようにすることだ。「取りこぼし」は、ライバルを利し、シェ
アの低下を招く。深刻に受け止めよう。

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