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2009年06月09日通巻1933号
絵画の価格をサイズで決める > 買い手に嬉しい、価格設定基準のわかりやすさ

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■■   絵画の価格をサイズで決める
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━━━━━━━━━ 情報源:日経産業新聞 2009.06.09【4面】━

◆週末起業フォーラム会員に対するメールでのコンサルティングを
行なっている。よくある質問として、「この商品・サービスは、価
格をいくらにしたらよいでしょうか」というものがある。

◆基本的には、同業他社を調べて相場を把握することと、かかる原
価・経費を積み上げてみることの両面で考える。商品・サービスの
種類が多岐にわたる、あるいはカスタムメイドの場合は、積算基準
も設定する必要がある。

◆いずれにしろ、価格設定というのは、悩ましい問題だ。積算基準
を設定して見積もってみると、一部の商品については妥当な価格水
準となるが、他の商品については不適切、といったことがあり得る。

◆積算の基準は、いわゆる「○○あたり」のような設定になる。コ
ンサルティングやコーチングなら、「1時間あたり」あるいは「1
ヶ月あたり」といった具合だ。

◆コンサルティング/コーチングのようなサービスの場合、誰もが
認める積算基準が存在するわけではない。ベテランと駆け出しとで
価格が全く同じというのもおかしい。

◆物販でも、絵画のような美術品では、価格設定は明快ではない。
コンサルタントやコーチのように、アーチストの技量は千差万別だ
し、作品ごとの評価もまちまちとなりがちだ。しかし、基準を設定
しようと思えば、できないことはない。

◆9日付けの日経産業新聞に、カヤックという会社が運営する「アー
トメーター( http://www.art-meter.com/ )」というサイトにつ
いての記事が掲載されている。このサイトは、「絵画の寸法で販売
価格が決まる方式に特徴がある」のだそうだ。

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■■   買い手に嬉しい、価格設定基準のわかりやすさ
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●この記事の趣旨は、アートメーターが「海外展開に乗り出す」と
いうことだ。「日本文化に興味を持つ外国人からの購入希望があり、
需要が高まると判断した」という背景がある。

●だが、当メルマガでは、「絵画の寸法で販売価格が決まる」とい
う点に着目したい。上述のように、価格を決定する基準は悩ましい
と思うからだ。

●実を言えば、寸法で絵画の価格を決めるというのは、アートメー
ターの専売特許というわけではない。「号あたりいくら」という目
安は、以前から知られている。(もちろん、画家のレベルにより、
「号あたり」の価格水準は変動する)

●実際のところ、どうなのか。サイズが大きければ、絵の具やキャ
ンバスの価格(原価)は高くなるだろう。しかし、高額な絵画の価
格からすれば、誤差の範囲程度の話だ。

●絵を描く手間については、やはり大きい方がかかりそうだ。とは
言え、2倍のサイズの絵を描くのに、2倍の時間がかかるというわ
けではない。逆に、極端に小さいサイズの絵を描く方が、よほど手
間がかかる。

●このように、サイズで価格を決めるのは、現実のところ、原価か
らみた妥当性は、必ずしも高くない。しかし視点を変え、買い手の
立場からみると、非常にわかりやすい価格積算方式だということに
なる。

●アートメーターのサイトをみると、「絵の測り売り」と謳ってお
り、記事で述べられているように、それを特徴として打ち出してい
る。価格が「わかりやすい」ことは、アドバンテージなのだ。

●一皿100円の回転寿司は、価格のわかりやすさが支持され、日本
人(そして世界中で)の外食に大きな影響を与えた。「時価」のよ
うな不透明性を排除したアイデアの勝利だ。

●絵画もまた、かつての寿司と同じように、素人には、いくらなの
か見当がつかない商品であったりする。価格決定の透明性を高める
余地があるわけだ。

●商品・サービス価格の決定は悩ましく、価格設定基準も明確にし
たいという気持ちは、売り手側が抱える問題だ。しかし一方、実は
買い手にも、それは求められている。

●特に「わかりやすい」ことが必要だ。その観点で、価格水準のみ
ならず、価格設定方法の透明性についても、考え直してみてはどう
だろうか。

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■ 今日の教訓 ■
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あなたの企業が提供する商品・サービスの価格設定基準は、顧客か
らみてわかりやすいものだろうか。「○○あたりいくら」のように、
思いっきりわかりやすくするだけでも、自社の特徴を強力に打ち出
していくことができる。見直してみよう。

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